崖っぷちの政権

2012年1月21日

崖っぷちの政権

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(以下引用)

ザルダリ・パキスタン大統領の過去の汚職疑惑について政府が訴追を再開しないのは法廷侮辱に当たるとして、最高裁はこのほど、ザルダリ政権の要であるギラ ニ首相に19日に出廷するよう命じた。政権が軍部との対立で窮地に陥る中、最高裁が軍を側面支援した格好。首相が有罪と宣告され、失職する事態も想定さ れ、政権を揺るがす事態に発展している。
ザルダリ大統領は過去に、妻だった故ブット元首相の在任中のマネーロンダリング(資金洗浄)など、複数の汚職事件で捜査対象となったが、ムシャラフ前大 統領の恩赦で免責され、2008年に大統領に就任した。最高裁は09年に恩赦を無効とし訴追再開を命じたが、現政権は大統領の免責特権を盾に拒否してき た。
約2年間沈黙を続けた最高裁が突然強硬姿勢に転じたのは、キアニ陸軍参謀長率いる強大な軍部が、ザルダリ大統領に批判的な最高裁トップのチョードリー長 官に裏で手を回したからだとの見方が根強い。パキスタンでは昨秋、ザルダリ政権がパキスタン軍によるクーデター阻止などを米軍首脳に要請したとされるメモ 疑惑が発覚し、軍の反発が急拡大。ただ、軍は国際的信用を失う実力行使でなく、司法を通じた「合法的」な政権転覆を狙うとの見方が浮上した。
ギラニ首相は19日に出廷する意向だが、メスード元高裁判事によれば、有罪なら即時失職。身柄を拘束される可能性もある。経済低迷などでザルダリ政権への国民の支持離れが進む中、大統領には大きな痛手となりそうだ。

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クーデターの悪夢

2012年1月19日

文民政権と軍の対立が深まっているパキスタンで、この国の悪癖ともいうべき軍事クーデターの再発を危ぶむ声が上がりだした。対テロ戦の最前線であ り、核武装するパキスタンの安定は極めて重要だ。クーデターによりパキスタン情勢が複雑化すれば地域を危険に陥れ、テロリストに付け入る隙を与えることに もなりかねない。欧米主要紙は、クーデターの可能性は高くないとみているものの、文民政権を次期総選挙まで継続させるべきだと危機感をあらわにしている。

対立の発端は、軍のクーデターを恐れたアシフ・アリ・ザルダリ大統領(56)が、米軍の協力を求める「極秘メモ」をフサイン・ハッカニ駐米大使(当時)を通じ、米国に送ったとされる疑惑だ。

最高裁は特別委員会を設置して疑惑追及を進めており、軍は調査を支持する陳述書を提出した。最高裁はこれとは別に、ザルダリ氏が罪に問われている汚職事件の審理再開のための手続きを進めるよう政権側に要求している。

政権と軍の対決の構図に最高裁がからみ、「パキスタンの文民政府は大抵短命で、軍事クーデターによって見捨てられてきた。この悲惨なパターンが、軍と最高裁の圧力が高まる中、繰り返される恐れがある」